そのため、陸上のウインドファームや、洋上風力発電では、風車の大型化が進んでいます。
大型風力発電機は、風車のロータ直径が 70m~90mで、発電規模が 2MW~3MW(メガワット)クラスのものが多いです。でも中には、ロータ直径が 110mを超え、発電規模も 4MWクラスの大型風力発電機も開発されています。
大型風力発電機の場合は、大型であるがゆえに導入場所が限られてきます。
まず、大型の風車を回転させて発電を始めるためには、強い風が必要です。年間を通して必要な風速が得られる地域でなければ設置できません。
最近では、風況マップが整備されたため、風力発電に最適な地域と風速が、大体わかるようになってきました。
しかし、いくら風況が適していても、近くに住宅地があると、騒音や振動、景観などの問題から、大型風力発電機を建設することが難しい場合もあります。
また、自然公園などの規制があったり、貴重な動植物の生息地、航空の障害となる場所には導入できないことがあります。
そして大型風力発電機を建設するためには、導入場所のインフラが整備されている必要もあります。
風車本体の機材や、土台やタワー等の建築資材を搬入するには、道路が欠かせません。そして風力発電した電気を送るには、送電線も必要です。
既に周囲のインフラが整っていれば良いのですが、風力発電のインフラを整えるために、自然を壊してしまっては、本末転倒です。
大型の風車では、台風や落雷などの対策も必要となってきます。
ブレード(回転羽根)の面積が広いので、強風の影響を受けやすいし、タワーと風車を合わせると軽く100mを超えるため、落雷の被害も多くなるからです。
国土の狭い日本では、風況が良く、その他の条件も風力発電に適している地域は、限られています。
実際、風力発電に適している場所から、どんどん導入されているので、今後はますます陸上での適地が減ってきます。
そのため、国土のほとんどが海に面している日本に適した、洋上風力発電などが有力視されています。