例えば「圧電素子」です。圧電素子は、振動を電圧に変換することができます。
最近は駅の改札口に圧電素子を組み込んだ装置を敷き、人が通ると発電する方法が知られています。振動版を人が踏んだ圧力で動かし、圧電素子で発電する仕組みです。
橋の下に装置を取り付け、車が通った時の振動を利用して、発電している例もあります。また高速道路に敷き詰める構想もあるようです。
圧電素子は、私達の身近なところにもあります。電子ライターやガスコンロの点火装置に、圧電素子が使われています。
ライターを「カチッ」と押すと、バネで一瞬高い圧力がかかります。その圧力で電気を発生させて、着火しています。ガスコンロも同じ原理です。
圧電素子は振動があれば発電できるので、振動版を風で動かせば、「風力」でも発電できるということになります。
圧電素子を使えば、ブレード(回転羽根)のような、高速回転による危険がなくなります。
また他には、風力発電機で発電した電気エネルギーを、直接利用しない方法も考えられています。
通常は風力発電した電気は、自家消費されるか、余剰電力は電力会社の送電線網に送られます。
しかし、陸から遠い洋上風力発電では、送電線で電力を送るのは大変です。
そこで電気を直接送るのではなく、発電した電気を使って、メタノールや水素を製造し、輸送しようという発想です。
メタノールや水素なら、貯蔵することができるし、船で輸送することもできます。
風力発電の電気エネルギーで製造されたメタノールや水素は、燃料電池を使えば、再び電気エネルギーとして利用することができます。