その正体は、垂直軸型マグナス風力発電機です。
台風の時でも発電できる風力発電機として注目されています。
以前にテレビ番組で、開発段階の小型の実験機を取材していました。
そして最近、日本のチカラという番組で「夢の台風発電」として、
いよいよ実証実験(フィールドテスト)を行うことを紹介していました。
短期間の進化にビックリしました。
台風発電は、株式会社チャレナジーの清水敦史さんらによって、
多くの町工場がある東京都墨田区で開発が進められています。
株式会社浜野製作所の浜野慶一社長によるプロジェクト、
Garage Sumida(ガレージスミダ)が、開発をサポートしているようです。
町工場の力を終結し、熟練した技術者の力が借りれるのは、大きな強みになっています。
工場の一角にあるからこそ、すぐに職人の協力を得られやすいわけです。
では、垂直軸型マグナス風力発電機は何が優れているのか?
普通の風力発電機は、台風のような強風時には、
過回転でブレード(羽)が折れたり、風車本体が燃えることがあります。
風車の支柱ごと壊れることも。
だから一般的に強風の時には、風力発電機を停止するのが普通です。
「メンテナンス中か?」と思っていたら、強風が原因で停止ということも多々あります。
もちろんその間は発電することができません。
それに対して、垂直軸型マグナス風力発電機には、ブレードがありません。
元々プロペラが無いのですから、壊れにくいわけです。
ただの棒のようなもの(円筒翼)が、数本あるだけです。
この円筒翼をモーターで少しだけ回転させてあげると、面白い現象が起きます。
回った円筒翼に風が当たると、マグナス力という力が生じます。
マグナス力によって風力発電機本体が動き出す仕組みです。
円筒翼を回転させるための電力以上の出力が得られます。
また垂直軸型マグナス風力発電機は、360度どこから風が吹いても回ります。
しかも円筒翼の回転をコントロールできるのが最大のメリットです。
台風のような強風時にも、回転をコントロールすることで、
停止することなく稼働でき、発電を続けられるわけです。
台風発電が実用化されれば、世界初の快挙です。
商品化は2020年を予定しているとのこと。楽しみです。
実証実験は、沖縄県南城市で行われています。
小さな実験機から、沖縄での大きなテスト機まで、確実に進化している印象です。
風況など厳しい条件でフィールドテストを行うことで、今は発電データを蓄積しているようです。
2016年の沖縄本島は、奇跡的に台風の直撃がありませんでしたから、
その実力と成果は、来年以降に期待です。
ps:
自然災害としか考えられていなかった台風エネルギーを使って発電できるのは画期的ですよね。
クリーンエネルギーの開発は国策ですので、国の支援も受けているようです。
それに民間のクラウドファンディングを活用することで、
新しいビジネスモデルとしての可能性も感じます。
東京下町から、世界初の台風発電が実用化される日も近そうです。